“熏”の読み方と例文
読み方割合
くん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
茶道の講釈を遊ばすと云う有様でござりましたが、その囲炉裡いろりの縁までが沈の木で出来ておりましたので、妙なる異香があたりにくんじて、並みいる方々の心も空になったと申します
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それからにわかに紫雲がたなびいて異香がくんじたり、虚空こくうに花が降ったり音楽が聞えて来たりして、夫婦はたちまち金色の佛と変じ、黄金の蓮花に乗って天へ昇ってしまったのであるが
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
何とも云えないこうくんじて来ましたので、さあ、今度こそは餘程の人が来ると見える、我が身の運も盡きないのだと思って、その時の嬉しさと云ったら、ぞく/\しながら待ち構えていましたら
三人法師 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)