無明長夜むみょうちょうや)” の例文
けれども泣いたってわめいたって仕方がありませんね、前世のごうというのが、これなんです、つまり無明長夜むみょうちょうやの闇に迷う身なんでございますね。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
誰かきたって、この無明長夜むみょうちょうやの眠りをさます者はないか……かれは、天上、人間、地獄、餓鬼、畜生に向って、呼びかけているかとも見られる。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
悲しいことに皆様はいつかこの無明長夜むみょうちょうやの夢からおめになる時がありましても、私共にはこの生涯においては、そのことがあるまいと思われますのでございます。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)