灯火)” の例文
旧字:燈火
……暗夜に露地を歩く者は、家の雨戸の隙間から、一筋洩れる灯火の光、そういうわずかな光明ひかりにさえ、うんと喜悦よろこびを感ずるものだ。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「命令するのだ! 灯火をつけろ!」ツト一足進んだが、「……年頃闇には慣れておれど久々で見るこの部屋がこう暗くては面白くない。さあすぐに灯火をつけろ!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
四散する泡沫しぶき灯火に光った。もちろんほんの一瞬間であった。すぐ煙りのように消えてしまった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)