湯気ゆけ)” の例文
旧字:湯氣
この間うちの赤ん坊を湯に入れた時、赤ん坊が湯気ゆけあがって、引きつけたといって五分ばかり泣声を出した。自分がこの下女の異様な声を聞いたのは、それが始めてである。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なるべく二銭五厘の湯銭を活用しようと云う精神からして、かように赤くなるのだろうが、早く上がらんと湯気ゆけにあがるがと主思しゅうおもいの吾輩は窓のたなから少なからず心配した。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「僕はもう湯気ゆけに上がりそうだから、出るよ」
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)