湧井わくい)” の例文
そして、孫兵衛と啓之助が話しているまに、屋敷の中へ隠れて、湧井わくい道太郎にそのことを伝え、一方、原士へ何かの支度を命じだした。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
柳剛流りゅうごうりゅう猛者もさ湧井わくい道太郎と、悪鬼のように斬ってかかる孫兵衛の死にもの狂いに、さしもの弦之丞、刻一刻と苦闘に迫っている。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
疎林の影をよぎってまっしぐらにこなたへ向ってくる一群の武士、まごうべくもあらず、安治川屋敷の原士たちと、三位卿、孫兵衛、助太刀の湧井わくい道太郎がその先頭。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
城下へはいった一角は、その翌日、藩の湧井わくい半太夫と青砥あおと弥助をふいに訪ねた。
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
湧井わくい休太郎は、三の曲輪の侍ではなく、父久政の侍臣だからである。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おふたり連れで……。湧井わくい様、青砥あおと様と仰っしゃるお方が」
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、青砥あおとが、言いかけるのを、湧井わくいはあわてて
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)