淹悶うんざり)” の例文
昨日一日のこがらしで、急に枯々な木立も目につき、こずゑも坊主になり、何となく野山の景色が寂しく冬らしくなつた。長い、長い、考へても淹悶うんざりするやうな信州の冬が、到頭たうとうやつて来た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)