淳和じゅんな)” の例文
嵯峨さが淳和じゅんな、白河などの勅願もあり、堂塔三千八百坊、東北の高野こうやといわれたという規模や沿革を、ここでは述べきれないし、ぼくの専門ではない。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
又、淳和じゅんな天皇の頃、美濃の国守の藤原高房といふ人があつて、安八郡のさる池の堤がこはれて水がたまらず潅漑の用を果してをらぬのを見て、修築を企てた。
土の中からの話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
いや、公卿堂上だけの悪口ならまだしも、はては、天子の暗愚におよび、藤原氏のじょを閨門にいれて、かれら一門の非望をとげさせた桓武、嵯峨さが淳和じゅんな陽成ようぜいなど歴代天皇の御名までを口にして
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)