涌然ようぜん)” の例文
そぞろその歌の主がなつかしくなって来て、ひとめそのお姿を拝見したいという慾望が涌然ようぜんと起って来た。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
だが、また、その声を聞くと、普通のいのちの附根を哀れに絞り千切られたあと、別のいのちが、附根から芽生え出して来たものが忿懣ふんまんやらいつくしみの心やらを伴って涌然ようぜんと沸き立つのを覚えた。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)