浜薊はまあざみ)” の例文
砂浜には日光が焼きついて、乏しく枯々に草の生えた地面から、脚を刺す浜薊はまあざみや燈心草から、乾いた、むっとする匂いを発散させていた。聞えるものは、青黒い蝿のたえまないうなり声ばかりだった。
なぐり合い (新字新仮名) / パウル・トーマス・マン(著)