清長の好んで描く所は浄瑠璃所作事じょうるりしょさごとの図にして役者のうしろ出語でがたり連中れんじゅうを合せ描きたり。この時代の出語を見るに富本常磐津とみもとときわず太夫たゆうにはかみしもを着けず荒きしまの羽織を着たるものあり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)