治世ちせい)” の例文
新女帝の治世ちせいの始めは、まだ存命の父母に見まもられて、危なげはなかった。政治はむつかしいものではなかった。
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
まれに祐筆などより立身して小姓組にいりたる例もなきに非ざれども、治世ちせい二百五十年の間、三、五名に過ぎず。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
滑稽諧謔は徳川氏の治世ちせいに及び上下一般を通じていよいよその時代の精神をなすに至るの観あり。浅井了意あさいりょうい戸田茂睡とだもすい井原西鶴いはらさいかくの著作いづれもそのしょうとなすに足る。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)