水蛭ひる)” の例文
一昨年おととしの夏、小鱸せいご釣に出でゝ、全くあぶれ、例の如く、大鯰二つ買ひて帰りしが、山妻さんさい之を料理するに及び、其口中より、水蛭ひるの付きし「ひよつとこ鈎」を発見せり。
釣好隠居の懺悔 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
前夜近処より、糸女いとめ餌を取らせ、又小鱸鈎にを巻かせなどしたりしかば、常に無頓着なりしに似ず、今かかる物の出でしを怪み、之を予に示して、「水蛭ひるにて釣らせらるゝにや」となじれり。
釣好隠居の懺悔 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)