某人あるひと)” の例文
某人あるひとが「安芸あき厳島いつくしま弁財天べんざいてんへ、火のものを絶って祈願をめると、必ず覚えがよくなる」と云って教えた。尊は十二三であった。
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
謙蔵はまた某人あるひとからじぶんが女から指環を頼まれた家は、最後にむすめの住んでいた家であったと聞かされた。謙蔵は私の知りあいの某宗教家の変名である。
指環 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)