松任まつとう)” の例文
おそい昼食を済ませてから、再び馬で、鶴来の町までゆき、また引返して川を越え、松任まつとうのあたりまで戻ってみた。しかしそれらしい者を見かけた、という程度の消息も得られなかった。
雨の山吹 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
五月一日 加賀松任まつとう在、北安田、明達寺に非無を訪ひ、永久とわ女を見舞ふ。
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
その中でもことに有名なのは、加賀の松任まつとう餅屋もちやであったが、たしか越中の高岡にも半分以上似た話があり、その他あの地方には少なくとも世間の噂で、天狗の恩顧を説かるる家は多かったのである。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)