東天紅とうてんこう)” の例文
ひがしの空がうす紅いろに色づいて——東天紅とうてんこうを告げる鶏の声を聞くべく、あまりに里離れているけれど——雨のなかを、雨を衝いて登る太陽。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
代って、平和の使徒が光明の先触れをしたまでの段取りで、かくて東天紅とうてんこうになり、満地が白々と明るくなりかけました。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「そりゃア言うまでもありません。東天紅とうてんこうともホオホケキョーとも鳴く烏はねえ」
この上に東天紅とうてんこうのそよ風なびいて、葉摺はずれの音をどくろの唄と聞かせている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)