東北とうぼく)” の例文
一昨年の元日に虚子が年始に来たから、東北とうぼくと云ううたいをうたったところ、虚子が鼓を打ち出したので、余のうたい大崩おおくずれになったという一段を編輯へんしゅうへ廻した。
元日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それから二人して東北とうぼくと云うものを謡った。よほど以前に習っただけで、ほとんど復習と云う事をやらないから、ところどころはなはだ曖昧あいまいである。その上、我ながら覚束おぼつかない声が出た。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)