本銀町ほんしろがねちょう)” の例文
本銀町ほんしろがねちょうの小金井様の御次男が御執心で、一と箱ぐらいは持って来てもと言う口吻くちぶりですから、いずれそんなところへ落着くところだったのでしょう。へッ、へッ
「それだよ、お品さん、人さらいのあった町は、みんな本銀町ほんしろがねちょう巴屋三右衛門ともえやさんえもんが、施米せまいをした町ばかりだ」
本銀町ほんしろがねちょうの藤屋のせがれで、万吉という三つの子が、ゆうべ裏の井戸へ落ちて死んだんですよ。
「あれは親分方の探しなさるような男じゃありません。本銀町ほんしろがねちょうでも名うての堅い人間で、あんまり堅いんで、融通がきかないというものか、塀隣の巴屋さんと年中喧嘩けんかしている男ですよ」
「逢うも逢わねエもあるものか、俺が承知だ。真っ直ぐに入って来るがいい。ねえ親分、これが本銀町ほんしろがねちょうの浅田屋の手代で、幸吉さんというんだが、とにもかくにも、一つ話を聴いてやって下さいよ」