大山祇命おおやまつみのみことかその御娘の木花開耶姫このはなさくやひめと、報告せられておらぬものがないというありさまですが、これを各地の実際の信仰に照してみると
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
天孫瓊々杵尊の日向に降臨し給うや、国津神たる事勝国勝長狭ことかつくにかつながさは、自ら進んで潔くその国土を天孫に奉った。同じく国津神たる大山祇神おおやまつみのかみは、そのむすめ木花開耶姫このはなさくやひめを献じて、天孫の妃となし奉った。
大昔、木花開耶姫このはなさくやひめの神が、このお池の岸に遊んでおいでになった時、神様の玉のひもが水に落ちて、池の鮒の目を貫き、それから以後片目の鮒がいるようになった。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)