暴化しけ)” の例文
「ほらこの前の航海ね。室蘭を出帆する日からしてえらい暴化しけだったろう。あの航海に、舵機だきの鎖とカバーの間に食い込まれたんだよ」
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
それにしても、あのほがらかなひる前の天気が、二三時間隔てて、前触れもなく暴化しけて来るとは考えられない。これは山峡の気圧によるものであろう。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
しかし、この暴化しけはそれほど長く続いたわけでもなかった。本船出帆の前日がその最高潮であったのだからまだ二昼夜しかたっていない。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
全く、今では、両げんから、鯨油を流してさえいるくらいであったから。鯨油を流すことは、暴化しけもはなはだしくならないとやらないことであった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
凪いでると云うんでもないし、暴化しけてる訳でもなかった。
労働者の居ない船 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)