暗々やみやみ)” の例文
「すぐる年、鎌倉の牢獄で、大塔ノ宮を暗々やみやみと虐殺しまいらせた者は、ほかならぬ直義と、それのみは、お忘れあそばすことのできぬお恨みなのでございましょう」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
目配せの中には暗々やみやみ秀子を渡して成る者かと云う意味が籠り充分互いに通じて居る。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
中から五臓六腑ごぞうろっぷしぼられたんではたまりません、ああお気の毒な、あれほどの先生が、こんなことで暗々やみやみと……わたしはお気の毒なのと口惜しいのと怖ろしいのとで、目をつぶってしまいました
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)