旅川周馬たびかわしゅうま)” の例文
それを誰かといえば、あなた様にもお心当りがございましょう、ねばり強い悪智をもった旅川周馬たびかわしゅうまという男を……
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「イイエ誰もいないようだね……どこの部屋も真っ暗だし、第一ねずみがいないのは、食い物なしの証拠だから、時々、旅川周馬たびかわしゅうまが帰ってくるくらいなものに違いない」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その門札には、甲賀世阿弥よあみの代りに「旅川周馬たびかわしゅうま」という文字が書かれてあった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自身刺客しかくとして弦之丞をつけ廻るうちに、関屋孫兵衛せきやまごべえ旅川周馬たびかわしゅうまという、ふたりの剣士にもすくなからぬ助力を得ている旨が追記してあり、関屋孫兵衛は、もと、御当家の原士の者ゆえ
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その崖には、旅川周馬たびかわしゅうまが上なる墨屋敷の中へ、常に出入りをしている隠し道があった。今夜も周馬は、お十夜孫兵衛と出会って、一ときばかり前に、その穴口から出ていったばかりである。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)