又例へば『行人』の中に出てくるマラルメの逸話(全集第七卷四七一—)などは、當時近著のドイツの『新評論ノイエ・ルンドシャウ』に載つてゐたものを、自分で讀んで、Hさんの手紙に利用したものである。
知られざる漱石 (旧字旧仮名) / 小宮豊隆(著)