新来イマキ)” の例文
旧字:新來
祭礼に人形ニンギヤウを持ち出す社は、今でも諸地方にある。殊に、八幡系統の神社に著しい。八幡神は、疑ひもなく、奈良朝に流行した新来イマキの神である。
その家にタヅねて来る古い留学生や、新来イマキの帰化僧などに尋ねることも、張文成などの新作の物語りの類を、問題にするやうなのとも、亦違うてゐた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
霊威やゝ鈍つた在来の神の上に、溌溂たる新来イマキの神が、福か禍かの二つどりを、迫つて来る場合が多かつた。異郷から新来の客神を持つて来る神人は、呪ひの力をも示した。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
郷国では、神と神との「霊争モノアラソひ」に負けた神として、威力を失うても、他郷に出れば、新来イマキの神として畏れ迎へられるのである。どうしても、団体亡命の事情が具つて居た訣である。