“新口”の読み方と例文
読み方割合
にのくち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その晩、雛吉は得意の新口にのくち村を語ったが、途中からのどの工合いがおかしくって、持ち前の美音が不思議にかすれて来た。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ここがわしの生れ在所ざいしょ、四、五丁ゆけば、などと、やや得意そうに説明して聞かせる梅川忠兵衛の新口にのくち村は、たいへん可憐かれんな芝居であるが、私の場合は、そうではなかった。
故郷 (新字新仮名) / 太宰治(著)
狂言は「ひらがな盛衰記」の逆櫓さかろ、「鬼一法眼きいちほうげん」の菊畑、「為朝ためとも」の八丈島、「梅川忠兵衛」の封印切から新口にのくち村などで、子供芝居流行の気運に乗じたためか、この興行もまた相当の成績を収めた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)