文使ふみづか)” の例文
なぜか、単なる文使ふみづかいにすぎない自分に、やがて酒が出され、ぜんが出たのを見て、清盛は、いよいよこれは、ただごとならずと、予感をもった。
文使ふみづかいをやるにしても、宿の者の手を経なければ出来ない芸だし、結局、城太郎の訪れを待つよりほかに策はなかった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のみならず俵同心、近頃ではこの鳩を、わが分身のごとくあやつり、腹心の人、常木鴻山つねきこうざんの所へ文使ふみづかいさせたり、万吉を呼びにやったり、妹の所へ飛ばせたりする。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)