擦過傷かすりきず)” の例文
(左の脇腹に擦過傷かすりきずを一つ負うただけで、金鵄きんし勲章をもらって、人からは日露戦争の勇士だの、なんだのと云われるが、なにが面白い)
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
しかし打撃や襲撃や、また一身の防御さえも、彼の手では少しもなされなかった。彼は黙々として人を救っていた。その上、彼はただわずかな擦過傷かすりきずを受けたのみだった。