掛合噺かけあひばなし)” の例文
「ね、八五郎親分。掛合噺かけあひばなしは又來年の春にでもゆつくり伺ふとして、本當に眞劍に聽いて下さらない?」
錢形平次と子分の八五郎は、斯う言つたらちも無い掛合噺かけあひばなしから、肝腎かんじんの話の筋を運んで行くのでした。
江戸開府以來と言はれた捕物の名人錢形平次は、子分の八五郎と一番事務的な話を、かう他愛もない掛合噺かけあひばなしの調子で進めながら、巧みに急所々々を掴んで行くのでした。
掛合噺かけあひばなしのうちに、お靜はざつと剃つて、いとしき夫の顎のあたりを、れ手拭で丁寧に拭いてやりました。二人の惡洒落には、相手になつてやらない覺悟をきめた樣子です。
「馬鹿ツ、まるで掛合噺かけあひばなし見たいな事を言やがる、手つ取り早く筋を申し上げな」
平次と八五郎の掛合噺かけあひばなしは際限もなく發展します。