据物斬すえものぎり)” の例文
「覚悟の上のお手討だ。家来の腕利きにやらせたのでない証拠は、この切口の乱暴な様子で解るだろう。据物斬すえものぎりの腕がなきゃ人間の首は切れねえ」
と、わら人形の据物斬すえものぎり、立木を打つ斬込の練習、宝暦九年まで隣近所でめぬ者の無い位必死の稽古を試みた。
相馬の仇討 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
『けれど……そうして御自慢なさる据物斬すえものぎりのお腕前は、一体、誰から教えられたのでございますか』
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一体辻斬というものは、据物斬すえものぎりの要領で、最初の一と太刀を損ずれば、刀を引いて引揚げるのが本当です。
数右衛門も一党のうちでは、据物斬すえものぎりの上手と折紙されている男なのである。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
重ね着をした人間を、たった一と太刀で、これだけ斬り下げるのは、据物斬すえものぎりの名人でなければなりません。
銭形平次捕物控:126 辻斬 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「大丈夫だ、それに相違なかったんだ。お菊を殺したのは徳松なんかじゃない、据物斬すえものぎりの名人だよ」
据物斬すえものぎりの名人だろう。藁束わらたばの気で人間を切りやがる」
「これは据物斬すえものぎりの名人だ」