拳闘家けんとうか)” の例文
が、出会わずにすませるのは不本意のことも確かである。云わば彼の心もちは強敵との試合を目前に控えた拳闘家けんとうかの気組みと変りはない。
お時儀 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
拳闘家けんとうかは闘士となり、薬局の小僧は化学者となり、鬘師かつらしは美術家となり、泥工は建築師となり、御者は遊猟者となり、草鞋虫わらじむしは翼鰓虫となる。
なぜだといったら、『日本の柔道は身をまもる術だし、拳闘けんとうとはやり方が違う。それに拳闘家けんとうかとの試合を見世物にすることは、日本柔道の道にはずれる』
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
アメリカサンフランシスコの場末の食堂で、しきりにこんな話をしているのはサンフランシスコでもきらわれ者の拳闘家けんとうかトビイ・モンクスと、その後見人のジョンソンであった。
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)