抬頭たいとう)” の例文
「古い物は焼け滅びる。これでよいのじゃ。これがその最後の勤めなのじゃ。この灰の中から、新しい力が抬頭たいとうして来る。のう、やがてはその天下じゃわい」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
市債の抬頭たいとう等の変化を見せたが、国内における購買力の減少は、街から街に黄濁の切断面をつくった。
大阪万華鏡 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
〔註〕 戦後は「心理的スリラア」が抬頭たいとうし、謎と論理の探偵小説よりも、むしろ高級なものと考えられるようになったが、戦前はスリラアといえば低級探偵小説の代名詞であった。
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)