戦慄おののき)” の例文
旧字:戰慄
二人のまさに触れ合おうとしている心の戦慄おののきのようなものの感ぜられる此の瞬間を、いつまでも自分と妻との間に引き止めて置きたかったろう。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
彼方の世界から来るかすかな戦慄おののきが、青空の深い懐と大洋の遠い水平線とが交っているような震えが……。そして私の胸は一杯に満ち充ちて裂けそうになります、祈りで。何を祈るのでもありません。
湖水と彼等 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
冬のすべては——憤怒いかり憎悪にくしみ戦慄おののき恐怖おそれ