我儘娘わがままむすめ)” の例文
老番頭の命令服従も無条件でありましたが、五万両からの金を、我儘娘わがままむすめのために支出させる伊太夫の命令も無条件でありました。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「いくら大家の我儘娘わがままむすめでも、まだ十七そこそこですもの、二人も三人も男があるわけはありません」
この我儘娘わがままむすめの我儘を、このまま認めてやっただけのものですが、他で心配したほどの風雲も起らず、正面衝突もなくて無事に解決したのは、まずまずと言わなければならぬ。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こう繰返すだけ、我儘娘わがままむすめらしい頑固さが平次を苛立いらだたせます。
「ちぇッ、何が何だかわからねえが、天下無類の我儘娘わがままむすめの仕事だ、見ちゃいられねえや」
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それでもこの我儘娘わがままむすめの将来のためにとて、財産のうちを分割して、あれの物としてわかち置いて、その保管を番頭に托し、必要ある毎には、大体に於てあれの申し出通り送ってやれ
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)