成田なりた)” の例文
大判司に対して、成駒なりこま屋ァの声が盛んに湧くと、それを圧倒するように、定高に対して成田なりた屋ァ、親玉ァの声が三方からどっと起る。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大東だいとう中原村なかはらむら豊秋彦明神とよあきひこみょうじん成田なりたの不動さまほどの人気にしようなどとしたために山のような借財を背負って、することなすこと、ことごとく失敗し、最近のこの二、三年
暴風雨に終わった一日 (新字新仮名) / 松本泰(著)
不動様は今日でもそうであるが、その頃は、一層成田なりたの不動様が盛んであったもので、不動の信者が多い所から自然不動様が流行はやっている。不動様はまず矜羯羅童子こんがらどうじから始めます。
それで成田なりたにいって断食をしたり、水をかぶったり、初めは渡れませんがあぶない橋を渡ったり、それくらいなことは行でも何でもないのでありますから、自慢するわけではありませぬが
生活と一枚の宗教 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「なに、そんな道楽じゃあありません。これでも信心参りで……。五、六人の連れがありましたので、成田なりたへ参詣して来ました」
半七捕物帳:61 吉良の脇指 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)