懵乎ぼんやり)” の例文
懵乎ぼんやりとして了つて、別に街々の賑ひを仔細に見るでもなかつた。燦爛たる火光あかり、千萬の物音を合せた樣な轟々たる都の響、其火光がお定を溶かして了ひさうだ。其響がお定を押潰して了ひさうだ。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
懵乎ぼんやりとして了つて、別に街々の賑ひを仔細に見るでもなかつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)