懲治監ちょうじかん)” の例文
「なあに、今朝はもう、西戸部の少年懲治監ちょうじかんの方へ廻されましたよ。子供は二晩以上は留置場に置かねえことになっていますから」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
邪険な社会の裸一貫の子供たち、十二歳で懲治監ちょうじかんに引き取られ、十八歳で徒刑場に送られ、四十歳で死刑台にのぼらせられる。
死刑囚最後の日 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
懲治監ちょうじかんへでもくらい込みたいのか! おれはもうちゃんと貴様に言っておいたじゃないか
けれどやがて九時ごろ、西戸部の少年懲治監ちょうじかんへ廻されて来てから、急に、故郷へ帰って来たように、愉快になれた。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水族館の魚みたいに、懲治監ちょうじかんの不良児たちは、監禁室の底にヘバリついて寝ていた。青いガラス窓の外にさっきから彷徨ほうこうしている人影にも、なかなか眼がさめなかった。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)