愁嘆しゅうたん)” の例文
一般に、こうゆう場合に、群集の間にかもされる同情、愁嘆しゅうたんの雰囲気は、この時にはまるで無かったと言ってよい。
誰が何故彼を殺したか (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
どんなもので? ……オヤオヤ、なんだい泣いていらっしゃらあ! ははあ、お母様を持ち出したので、それで愁嘆しゅうたんなさるんですね。やり切れねえなあ。まるで赤児ねんねえだ。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あまり奥方がご愁嘆しゅうたんゆえ申し上げ兼ねておりましたが、とても病人はなおりませんな」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)