想像裡そうぞうり)” の例文
……僕はきのうね、こんな落日を眺めながら、ふいと飛騨ひだの山のなかの或る落日をおもい浮かべていた。もちろん、想像裡そうぞうりのものだがね。
雪の上の足跡 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
『もうどうせこの杯を飲みほさなくちゃならんとすれば、要するに同じことじゃないか? 見苦しければ見苦しいほど、結局かえっていいのだ』この瞬間かれの想像裡そうぞうり
そのような雪の世界をただ想像裡そうぞうりに描きつづけながら、こういう自分の雪に対するそれほど烈しくもない、といって一時の気まぐれでもない、長いあいだの思慕のようなものが、いつ
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)