惝怳しょうこう)” の例文
また、惝怳しょうこうのはげしい羽摶きとともに、彼女の澄みかがやく双つの瞳がそらの藍に深く吸ひこまれてゆく、美しい忘我の時があるのである。
水と砂 (新字旧仮名) / 神西清(著)
その為に又下流階級に、——彼等の社会的対蹠点たいせきてんに病的な惝怳しょうこうを感じていた。彼は彼等に同情した。しかし彼の同情も畢竟ひっきょう役には立たなかった。
被衣かつぎのような、淡い、白いひろがりをば、淡く甘美なる惝怳しょうこうの心と解いた。