悶々もん/\)” の例文
云い換えれば、道阿弥を織部正則重に擬し、松雪院を桔梗の方に擬して、初恋の人と別れてからの悶々もん/\の情を晴らしたのである。
下手へたでも白痴こけでも幕府の御繪所を預かる狩野に頭を押へられ、衆愚の前に眞技倆を示す折もなく、悶々もん/\の日を送つてをりましたが、その不平に加へてその日のかてにも差支へる貧苦に打ち負かされて
悶々もん/\の情を此の詩に托していた訳であるが、父がこれを吟ずる時の悲痛な声の調子を聞けば、子供心にも父の胸にある断腸の思いが自分に伝わりて来るのを感じた。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
悶々もん/\として七、八日は日が經つてしまひました。