悪魔デモン)” の例文
旧字:惡魔
ピリオドを打ち得ず、小さいコンマの連続だけである。永遠においでおいでの、あの悪魔デモンに、私はそろそろ食われかけていた。蟷螂とうろうおのである。
彼女は天使エンジェルか、悪魔デモンかでありました。おそらく両方であったろうと思います。たしかに彼女は普通の女から——すなわちイヴの腹から生まれたのではありませんでした。
けれども、なかなか骨が折れた。書いては破った。私は、ぶざまにもあの悪魔デモンに、骨の髄まで食い尽されていた。
溜息ためいきついて、また次の一作にとりかかる。ピリオドを打ち得ず、小さいコンマの連続だけである。永遠においでおいでの、あの悪魔デモンに、私はそろそろ食われかけていた。蟷螂とうろうおのである。
十五年間 (新字新仮名) / 太宰治(著)