悒然ゆうぜん)” の例文
ふた側の垣根の暗が悒然ゆうぜんと覆うているかげを、童子はすたすた歩いていた。電燈は曇ってひかり沈んでいた、と、黒いかげがだんだんに遠のいてゆくのである。
後の日の童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)