徹底てってい)” の例文
それは、親鸞の徹底てっていした真実性であり、つきつめた自己反省による罪悪深重ざいあくしんちょうの自覚であり、そしてその結果としての自力の絶対否定であった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
若崎は徹底てっていしてオダテとモッコには乗りたくないと平常いつも思っている。客のこの言葉を聞くとブルッとするほどいやだった。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
腹の中の煮え切らない、徹底てっていしない、ああでもありこうでもあるというような海鼠なまこのような精神をいだいてぼんやりしていては、自分が不愉快ではないか知らんと思うからいうのです。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「あとで正す機会はいくらでもあるでしょう。私はむしろそのほうが指導が徹底てっていするんじゃないかと考えるんですが。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)