御風俗おみなり)” の例文
今まで、美しいと思った御自慢の御器量も、うらやましいと思った華麗はで御風俗おみなりも、奥様の身に附いたものは一切卑す気に成りました。怒の情は今までの心を振い落す。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
田舎いなかの女程物見高いものは有ません。奥様が花やかな御風俗おみなりで御通りになる時は、土壁の窓から眺め、障子の穴から覗き、目と目を見合せていやな笑いかたを為るのです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)