御覚召おぼしめし)” の例文
トリストラム・シャンデーと云う書物のなかに、この書物ほど神の御覚召おぼしめしかのうた書き方はないとある。最初の一句はともかくも自力じりきつづる。あとはひたすらに神を念じて、筆の動くに任せる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
根が正直な男だから、あの洋杖はせっかくの御覚召おぼしめしだから、ちょうだいして毎日散歩の時突いて出ますなどと空々しいうそけず、と言って御親切はありがたいが僕は貰いませんとはなおさら書けず。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)