御神楽ミカグラ)” の例文
平安朝の文献に、宮廷では、此人形と、一つの名前と思はれる「サイ」といふのが見える。御神楽ミカグラの時に出る者である。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
さうして、宮廷に還れば、還立カヘリダちの御神楽ミカグラを奏します。さう言ふ風に幾度も繰り返さねばならなかつたのです。
日本芸能の特殊性 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
古く御神楽ミカグラサイが配されたのは、決して睡気覚しの為ではなかつた。田楽に於けるもどきを考へて見なければならない。もどきは普通、からかひ役だけのものゝ様に感じられてゐる。
共に、此場合は、多く人形ニンギヤウの事の様であるが、才の男の方は、人である事もあつた。平安朝の文献に、宮廷の御神楽ミカグラに、人長ニンヂヤウの舞ひの後、酒一巡して、才の男の態がある、と次第書きがある。