御本屋ごほんや)” の例文
兄の楠木正成は、ほど近い水分みくまりに“御本屋ごほんや”として、さらに大きな山館やまやかたを構えているが、弟の正季は、べつに一邸をここに持っていた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山腹や麓の部落には、さくらも桃も一しょに咲いてきたし、下赤坂しもあかさかの城、また、かつての水分みくまり御本屋ごほんやたち)も、みな新しく建て直っている。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御本屋ごほんやの、穀倉の物、弓倉の中の物、そのほか数ある土倉のうちに、どれほどな物が残っていましょう。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この“御本屋ごほんやぶれ”も、遠くの親族までには、まに合いかねる。及ぶかぎりな範囲だった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はっ。御本屋ごほんや様には、つい今し方、お帰りでございました」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)