御分ごぶん)” の例文
一代ならず宮方のおんために討死をして名を後代に揚げようとはなさらず、御分ごぶんだいになって未練のふるまいをなさると云うのは、くちおしいではありませんか
三人法師 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
心のうちを尋ねるのです、私も暫くは包み隠していましたが、あまり親切にしてくれますので有りのまゝを打ち明けましたら、佐々木は聞いて、さては御分ごぶんは恋をしておられるのだな
三人法師 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
御分ごぶんに話したらどうせ気に入るまいと思って隠していたと申されますので、さあ、そこのことです、私に気に入らないことがお分りになるなら、諸人の嘲りと云うことにも気がおつきになるでしょう
三人法師 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)