弁者べんしや)” の例文
弁者べんしやは語り了つて、再び雑煮の箸を取上げた。一座しばらくは無言の中に、女心の何につけても感じ易いと見えて、頭取の夫人の吐く溜息のみが、際立つて聞えた。
一月一日 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)