廬堂いほりだう)” の例文
また一時いつとき廬堂いほりだうを廻つて音するものもなかつた。日は段々けて、小昼こびるの温みが、ほの暗い郎女の居処にも、ほと/\と感じられて来た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その後、自身の家の中でも、又廬堂いほりだうに近い木立の蔭でも、或は其処を見おろす山の上からでも、郎女に向つてするひとり語りを続けて居た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
藕絲はすいとのまるがせが日に日に殖えて、廬堂いほりだうの中に、次第に高く積まれて行つた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)