庵崎いほざき)” の例文
今こそ按摩をして、細々と暮してをりますが、私は同じ藩の客分と言はれた郷士、苗字帶刀も許され、庵崎いほざき三七郎と申しました。
裏に住んでゐる浪人者庵崎いほざき數馬と、その相手をしてゐた、掛り人の市五郎は、行燈と燭臺と、手當り次第に灯りを持つて、氣の毒なことに
庵崎いほざき數馬といふ浪人者にお常に惡い癖のあることを話したのは誰だつたか、それを聽き出してくれないか。
「あつたよ。上總屋のお隣りに住んでゐる御浪人の庵崎いほざき數馬といふ方が、——一と晩寢付かれなくて弱つたが、壁隣りの金次は外へ出た樣子はなかつた——と言ふんだ」
サア、私に繩を打つて下さい。——もう生きて居る望もない私——庵崎いほざき三七郎でございます。